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調査に行った際に、よくある問題点、よく感じる点を下記にまとめてみました。
最低限、これはやっておきましょう。
1.工事契約書を作成する
2.工事中の変更は、変更の図面と変更増減見積を確認して決定する
3.竣工後は確認申請書を手元に保管しておく
4.打合せ資料を保管しておく
5.工事記録や不具合の様子の写真を撮っておく
1〜5を具体的に説明していきます。
1.工事契約書を作成する。
工事契約書には、図面、内訳書、約款の3つを必ず添付してもらいましょう。
まず「図面」には、最低限、下記が必要です。仕上表、配置図、平面図(各階)、立面図、断面図、建具表、構造図、設備機器表が必要です。住宅であれば、それぞれA3サイズ1枚以上になりますので最低でも7〜10枚になります。
足りない場合は要求しましょう。請負会社には必ずあります。無ければ建築は建ちませんし、まだ書いてなければ書いてもらって、内容を説明してもらって、確認し納得して工事契約となります。
「内訳書」は、基礎工事、鉄筋工事、コンクリート工事、木工事・・・・・などのそれぞれの工事の合計に、経費がプラスされて総工事費になり、それに消費税が合計されて契約金額になりますが、この合計だけであれば、1〜2枚で済みます。この他に、それぞれの工事別の金額が、設計図面を元に、どのような内容の合計で積み上がったかが判る明細が必要です。明細は、例えばクロス貼の数量が150uで単価が1000円なので、クロス貼が150,000円と言うように、数量と、単価が明示されているものが必要です。良くないのが、クロス工事 一式 ○○万円 というような一式見積で、これは、あまり役に立ちません。建設会社は、全体の工事費をはじくために、数量と単価が入った明細を工事ごとに作りますので、それを添付してもらいましょう。内訳明細書は、内容によりますが、A4サイズで20〜50枚程度になるでしょう。
「約款」は「民間(旧四会)連合協定工事請負契約約款」などの雛形がありますので、それを使用するのが良いでしょう。そのまま利用する場合と、修正を加えて利用する場合があります。
契約書は、消費者と建設会社のためのものであり、後に問題が発生したときに、双方の主張のよりどころとなります。消費者にとってのみ必要なものではなく、建設会社にとっても、不必要なトラブルを未然に防ぐための重要なステップです。しかし、「図面」「内訳書」を添付していない契約書では建築の内容が明らかになりません。1枚だけの契約書に押印を求められても、福袋ではないのですから、中身の曖昧な高価な買い物に押印してはいけません。
また、消費者は、契約書の内容について納得できない場合や意味が分からない場合は、理解できるまで何度でも聞きましょう。
上記の図面や内訳書、約款を添付すると、契約書は結構な厚さになります。判りやすい為、あえて書きますが住宅で10mmくらいから、大きな建築になると10cmくらいになります。これらの添付を拒むような工事会社は、残念ながら良い会社とは言えません。他の工事会社を探しましょう。
ここで言う契約書というのは、工事請負契約書です。しかし、建築会社に建築や住宅を発注する際は、「○○○の敷地に、○○の用途の、床面積○○uの建築」をというように、依頼した段階では建築の中身が全く具体的ではないので、図面も無ければ、グレードも未定、そのため、工事費もせいぜい坪単価○○万円程度しか決まりません。
そのため、「図面」「内訳書」は添付することが出来ません。よって、まず、仮契約または、設計契約を建築会社と結び、設計が終わり工事内容がはっきりした段階で内訳明細をつけて工事請負契約を結ぶことになります。(実際はいろいろな問題を含んでいます)
2.工事中の変更は、変更の図面と変更増減見積を確認して決定する。
建築主は図面を理解する専門家ではない事が一般的で、工事の途中に変更もやむを得ないでしょう。最後になって工事費のアップでもめないように、変更する際は、必ず、変更の図面と変更に対する増減の見積を作成してもらい、価格に納得できない場合は、価格交渉したり、変更の内容の検討をします。この時、最初の契約時に内訳明細があれば、仕上げの面積の増減や、材料単価の増減、減額のための一部取りやめなどの計算が容易で、建築主も、建築会社側も納得しやすいでしょう。
3.確認申請書を保管しておく。
都市計画区域外の規模の小さな建築以外は建築確認が必要です。建築・住宅問題の相談に行った時に、契約書や図面の確認をすると、契約書や確認申請書を持っていない方が少なくありません。建築確認の申請は、建築基準法では建築主がすることになっていますが、専門的な知識が必要なので、通常は図面を作成した設計者が、書類と図面を作成し、建築主が押印し、設計者または工事会社が申請しています。この書類は、2部作成して申請し、1部は役所に残りますが、1部は申請者に返ってきます。工事期間中は、工事現場に備えておくことになっているので、工事会社が竣工後もそのまま持ち続けていることも少なくありませんが、建築の引渡しの際に受け取っておくべき書類です。
建築の問題が発生した際には、まずは、「契約のとおりに作っているか」、「申請のとおりに作っているか」「申請や図面の計算は正しいか」が基本になってきますので、確認申請書は必ず手元に大切に保管しておきましょう。
4.打合せ資料を保管しておく。
建設会社・工務店・ハウスメーカーなどと設計の打合せの時に受け取った図面や書類などの資料は、打合せした日や、受け取った日を記入して竣工後も保管しておきましょう。設計の途中では、平面が随分変わるものです。変わってまた初めの頃の平面に戻ることもあります。それらの経緯を保管しておくと、トラブルが発生した時に検証できることがあります。
5.工事記録や不具合の様子の写真を撮っておく。
地鎮祭、地盤改良、基礎工事、棟上、外壁や内装の下地工事・・・・・など要所要所で写真を撮っておきましょう。出来るだけ広角レンズで広い範囲を、いろいろな角度で(写っていない壁がないようにするのがベスト)撮影します。記念にもなりますし、写真を確認することで、工事中の下地がどのように施工されているか、竣工してしまうと仕上で隠れてしまい、見えなくなってしまう箇所の確認に役立ちます。
これらの写真は、問題が発生しなくても、将来のリフォームの際にも役立ちます。
デジカメなど日付が記録されるものが、後からの、施工時期の確認に役立ちます。
不具合の内容が音に関する問題の場合や、写真では判り難いものはビデオを撮影しておくと良いでしょう。建築・住宅問題の相談で伺った際に、奥様がビデオ片手に職人さんや、監督さんに不審箇所を撮影しながら質問していました。入居後の結露の補修工事の仕方に不信感をもっての調査依頼でしたが、効果はとてもあったようです。(やり方によっては工事会社には嫌がられるでしょうから、ほどほどに・・・)
以上、最低限、1〜5は、やっておきましょう。何だ、あたりまえじゃないかと思われるかもしれませんが、調査に行くと、やっていないことが多いのです。逆に言うと、やっていないので、トラブルが発生しているのかもしれません。紛争のリスクを少なくすることは、建築主だけでなく、建築会社にとってもとても重要なことで、建築主・建築会社双方にとって、これらはとても重要なことであると思います。
番外編
「おまかせ」はやってはいけない。
「ご近所だから」は要注意。
台風で瓦は飛んであたりまえか?
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